リウマチ・膠原病科について
当科で扱う関節リウマチを含む「膠原病」は原因不明の全身性の炎症性疾患で、内科疾患の中ではまれで特殊な病気という印象を持たれがちですが、共通して見られる関節の痛みや発熱は頻度が高い症状で、そうした患者さんの中に早期の診断・治療が必要な患者さんが含まれています。
同時にこの領域は、診断と治療が近年大きく進歩しました。関節リウマチでは診療ガイドラインが数年ごとに改訂され、治療薬では特にメトトレキサート(MTX)と生物学的製剤の登場と、目標を定めた早期からの内科的治療により、関節病変の予後が劇的に改善しました。さらにJAK阻害剤など新しい薬剤も使われ始めています。
また関節リウマチ以外の各種の膠原病(全身性エリテマトーデス、多発性筋炎/皮膚筋炎や血管炎症候群等々)でも、免疫抑制療法の進歩により、深いレベルでの寛解とその維持が可能になり、かつステロイドホルモン剤の用量も従来より低下する傾向にあります。
こうした治療の変革と予後の改善の一方で、積極的な免疫抑制療法や患者さんの高齢化に伴う感染症などの予防・治療や、膠原病の内臓の合併症への対応も一層大切になっています。当科は1998年に開設して以来一貫してより良い診療を提供するよう努力をして参りました。
2017年夏より常勤医師が3名に増員となり、関節超音波検査、関節MRI、高解像度CTなどの新鋭機器や、総合病院ならではの各専門科との連携を生かし、関節リウマチを含む膠原病の診断・治療から、種々の合併症を伴う患者さんまで様々な病態に対応して診療を行っています。
発熱や全身痛として紹介される患者さんの中には、感染症をきっかけとして発症したもの、さらには感染症自体のこともあり、膠原病では免疫抑制的治療が行われることが多いだけにその鑑別は極めて重要となります。
このようにリウマチ・膠原病科の診療には総合内科のエッセンスが凝縮されており、卒後臨床研修医の指導から将来のリウマチ専門医の育成まで、教育指導にも尽力しております。
担当医師
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