消化器内科

外来診療

当院では消化器病センター制を採用し,外科と消化器内科とが互いに協力して最良の診断・治療をスムーズに行える体制をとっています。胃腸や肝胆膵の病気が心配な時や健康診断で精密検査を指示された時などはぜひご相談下さい。

食道・胃・大腸の病気に対する内視鏡検査やITナイフによる早期癌の内視鏡治療は、国立がんセンター中央病院(東京)との連携を保ちながら最新技術を提供しています。「苦痛のない、精度の高い内視鏡検査と治療」を目指しています。

膵炎や肝疾患に対しても的確な診断に基づいた最新の治療を心がけており、肝炎のインターフェロン治療や肝癌に対するラジオ波熱凝固治療、肝動脈塞栓療法などでは多くの患者さんに良好な成績をあげています。抗癌剤治療に関しては、消化器内科はJCOG(日本臨床腫瘍グループ)のメンバーとしてEBM(科学的根拠)に基づいた高度な治療を行っています。

消化器内視鏡検査

当院は日本消化器内視鏡学会の指導施設に認定されており、年間約9,000件の内視鏡検査・治療を行っています。

私たちは「苦痛のない、精度の高い内視鏡検査」をモットーに、鎮静下内視鏡(軽い鎮静剤を注射して楽に検査する方法)を取り入れておりますので,不安な方や初めて内視鏡検査をお受けになる方もどうぞご安心下さい。 内視鏡検査では,診断や治療ために消化管組織を生検したり(診断目的で粘膜の一部を採取する),切除したりする(ポリープなどを高周波で電気的に切り取る)ことがあります。

そのため血液が止まりにくくなる薬や血液をサラサラにする薬などをお飲みの方は、あらかじめお申出下さい(血圧やコレステロールを下げる薬は問題ありません)

上部消化管内視鏡検査

当院では、月~金曜日の午前中に上部消化管内視鏡検査を行っています。

内視鏡検査を受ける方には、前もって外来で検査予約や感染症の有無を調べる血液検査(ウィルス性肝炎など)を行っていただいております。ただし、病状などから検査を急ぐ場合には朝食を取らずに(水、お茶などは当日飲んでいてもかまいません)、月~金曜日の午前中に消化器内科を受診して下さると検査を受けることができます。

下部消化管内視鏡検査

当院では、月~金曜日の午後に下部消化管内視鏡検査を行っています。下部消化管内視鏡検査を受ける場合には、前もって外来で検査予約をして検査内容の説明を受けてご理解いただき、前処置のための下剤を受け取る必要があります。検査当日は朝から下剤(約2リットルの液体)を自宅で飲んでいただき、午後から病院で検査を行います

検査時間は15~20分前後ですが、ポリープなどの病気がある場合には生検(組織の一部を採取して調べる)やポリペクトミー(ポリープを電気で切除する)を行うため時間がかかることがあります。ポリペクトミーを行った場合には、傷が治って出血などの心配がなくなるまで、運動、飲酒、旅行などを控えていただくようにお願いしています。

ITナイフによる早期癌の内視鏡治療

当院では、国立がんセンター中央病院(東京)との協力により、最新のITナイフを使用した胃がんや食道がんに対する粘膜切開・剥離法を行っています。どのような胃がんや食道がんが内視鏡治療の適応になるかについては消化器内科医にお尋ね下さい。

ITナイフ

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先端に白いセラミックのボールがついた内視鏡治療用の特殊な構造をしています。

写真1

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早期の胃がん。写真の右側の凸凹に見える部分です。

写真2

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色素を撒いて、写真1の早期胃がんを分かりやすくしました。

写真3

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早期胃がんの周りに電気で標をつけたところです。

写真4

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胃からがんの部分がすっかり切り取られました。

写真5

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切除した胃がん。中央のやや赤みがかった部分に"がん"がありました。

抗がん剤治療(がん化学療法)

現在、消化器がんに対する治療としては、手術療法(内視鏡治療も手術治療の1つです)、抗がん剤治療、放射線治療の3つが主流です。当院は、抗がん剤治療に関して厚生労働省がん研究特別助成金の研究班であるJCOG (Japan Clinical Oncology Group)の一員として、臨床試験を行う一方、質の高い臨床治療を提供することを目指しています。

これまで、早期胃がんに対する治療は外科による手術が標準的治療とされていました。しかし、最近ではリンパ節転移のない初期の胃がんに対して、内視鏡で切除することにより手術と同様に治すことができるようになりました。

内視鏡による治療は胃の大部分が残るため身体への負担も小さく、術後の後遺症も少ないことから優れた治療法として認められています。入院期間も1~2週間と短く、ますます需要が高まってきています。

担当医師

消化器内科に所属している医師を紹介しています。