呼吸器内科について
呼吸器内科では、肺炎、気管支喘息、COPD、間質性肺炎、肺がんなど、肺に関わる疾患全般の診療を行っております。当院では一時、呼吸器内科専門医が不在でしたが、2020年4月から呼吸器内科専門医2名が在籍し、診療を再開しています。
当院では、レントゲンやCTのほか、呼吸機能検査や気管支鏡検査など、呼吸器内科領域で必要となる検査機器が揃っており、最先端の専門的な医療を提供するに十分な環境が整っております。
また、呼吸器内科の疾患は、治療が長期にわたり必要なことが多く、慢性的な症状に悩まされることも珍しくありません。専門的で高度な治療を提供することはもちろんのこと、生活環境や介護など療養上の諸問題についても考え、必要に応じて他職種と連携し、安心して治療を受けられるようサポートします。
主な診療内容
一例として、当院での肺がん治療の流れをお話しさせて頂きます。
自覚症状があって病院を受診した際や健康診断など、何かの機会に胸部レントゲンで異常を指摘されるところから、肺がんの精査が始まります。肺がんの確定診断のためには、気管支鏡検査を行って、病変部位の組織を採取する必要があります。当院では、検査前後の安全のため、気管支鏡検査は2泊3日の入院で行います。最近の研究で高い正診率が報告されている、極細径気管支鏡と仮想気管支鏡を併用した検査を標準的に行っています。
診断が確定しましたら、病気の状況や全身状態に応じて、治療方針を選択します。手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤や免疫療法)から最適な治療を選択しますが、当院には呼吸器外科、放射線治療科の専門医も在籍しており、院内で一貫した治療が可能となります。外来化学療法室など抗がん剤治療を行うための設備も充実しており、QOL(生活の質)に配慮した治療が可能です。また、緩和ケアチームと連携し、診断時から積極的な症状緩和に努めます。肺がんの化学療法は近年大きな進歩がみられ、体の状況や詳細な検査結果をもとに、たくさんの選択肢から、最適な治療薬を選択する必要があります。薬剤ごとに異なる副作用の管理も重要です。専門的な知識と経験を基に、日進月歩で得られる新たな知見を加え、最適な治療を提供します。
また、診断時の状況によりますが、がんである以上再発や転移の可能性は常にあります。いずれ直面するかもしれない「もしもの時」のことまで、前もって見据えておくことはとても大切なことで、治療方針や生活のことなど、色々なことを相談しながら治療を進めていきます。
肺がん以外の疾患においても同様に、専門的な治療を提供しながら、療養生活全体のサポートができるよう努めてまいります。病気に関連して、何かお困りのことがありましたら、受診の際にご相談ください。
担当医師
呼吸器内科に所属している医師を紹介しています。