耳鼻咽喉科・頭頸部外科

 札幌市中心部に位置する急性期病院として、当院では幅広い耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療を行っております。近隣の医療機関と連携し、より高度で先進的な検査、入院治療、手術治療を提供しています。
 当院は2025年4月より地域がん診療連携拠点病院に指定され、頭頸部がんおよび甲状腺がんに対する治療にも積極的に取り組んでいます。

当科で扱う主な疾患

耳科領域

 突発性難聴や顔面神経麻痺に対しては、重症度や患者さんの状況に応じて外来治療または入院治療を行います。薬物治療として、副腎皮質ステロイド、血管拡張薬、代謝改善薬、ビタミン製剤などの内服または点滴投与を行います。糖尿病を合併している患者さんにステロイド治療を行う場合は、糖尿病・内分泌内科と連携して治療を進めます。

 加齢性難聴に対しては、補聴器で聞こえを補うことで認知症予防や生活の質(QOL)の改善が期待できます。補聴器装用が必要な場合は、認定補聴器専門店をご紹介いたします。

鼻科領域

 慢性副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症に対して、鼻内から内視鏡を用いた手術を行っています。ナビゲーションシステム(手術操作部位の3次元的位置をリアルタイムにCT画像上に表示する手術支援装置)を使用し、より安全な手術を心がけています。

 近年増加している難治性の好酸球性副鼻腔炎に対しては、生物学的製剤であるデュピクセント®やヌーカラ®を使用する場合もあります。

口腔・咽頭領域

 強い痛みで食事ができない急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍では、入院して治療を行うことがあります。扁桃炎を何度も繰り返す場合には、扁桃摘出手術を行います。

 耳下腺や顎下腺の炎症に対しては精密検査を行い、シェーグレン症候群やIgG4関連唾液腺炎が疑われる場合には、リウマチ・膠原病内科と連携して治療を行います。

喉頭・気管領域

 急性喉頭蓋炎は、診断や治療が遅れると窒息をきたし、生命に関わる可能性があるため、原則として入院治療を行います。

 近年増加している嚥下障害に対しては、嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査により飲み込みの状態を評価し、言語聴覚士と連携してリハビリテーションを行います。

頸部(くび)の腫れ

 頸部には多くのリンパ節が存在します。リンパ節腫脹の原因の多くは細菌やウイルス感染による炎症ですが、腫れが改善しない場合には精密検査を行います。

 耳下腺、唾液腺、甲状腺の腫れに対しても検査を行い、血液検査、超音波(エコー)検査、CTなどの画像検査、細胞診検査を組み合わせて診断します。細胞診検査はエコーガイド下で行い、より確実な細胞採取を心がけています。


頭頸部がん
(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、唾液腺がん、鼻副鼻腔がん、原発不明がん頸部リンパ節転移)

 頭頸部は、「呼吸」「飲み込み」「会話」など、日常生活に欠かせない大切な働きを担っています。そのため、当科ではがんを治すことと生活の質(QOL)を守ることの両立を大切にしています。

 治療方針は、医師・看護師・薬剤師など多職種による「キャンサーボード」で話し合い、患者さん一人ひとりに最適な治療を決定します。

 治療は放射線治療科、消化器内科、腫瘍内科、外科、形成外科と連携して、手術、放射線治療、抗がん薬治療、光免疫療法(アルミノックス治療)などを組み合わせて行います。早期がんでは、口の中から内視鏡で切除し、できるだけ機能を残す治療を行います。進行がんの場合でも、再建手術などを行い、根治を目指します。機能温存を目的とした(化学)放射線治療の一部は外来通院での実施も可能で、仕事など日常生活との両立が可能です。

 治療中の痛みや不安などに対しては緩和ケアチームが支援し、治療後の飲み込みや声のリハビリは言語聴覚士が担当します。

 当科には、頭頸部がん専門医やがん治療認定医が在籍しており、安心して治療を受けていただける体制を整えています。

甲状腺・副甲状腺手術

 甲状腺良性腫瘍、甲状腺がん、バセドウ病、副甲状腺機能亢進症に対する手術治療を行っています。

 甲状腺がんの手術では、がんの部位や大きさ、リンパ節転移の有無などを考慮し、切除範囲を決定します。手術では、声を出す神経(反回神経)を守ることが非常に重要です。当科では全ての手術で神経モニタリングを行い、合併症の予防に努めています。術前から反回神経麻痺を認める場合や、腫瘍浸潤により反回神経を合併切除した場合には、形成外科と連携して反回神経再建を行い、音声機能の回復を図っています。

担当医師

耳鼻咽喉科・頭頸部外科に所属している医師を紹介しています。