1. 主な診療内容と対応症状
主な診療内容
・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞) 薬物療法、カテーテルを用いた血管内治療
・末梢動脈疾患(下肢動脈、鎖骨下動脈、腎動脈)
全身血管の血管内治療、重症虚血肢の管理
・冠危険因子・生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)
二次性高血圧(原発性アルドステロン症など)の積極的なスクリーニング、腎デナベーション
家族性高コレステロール血症の診断、治療
・不整脈
ペースメーカー治療、心房細動の管理
・心不全(急性期、慢性期)
・心臓弁膜症、心筋症、感染性心内膜炎、心筋炎
・大動脈瘤
・深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症
抗凝固療法、血栓溶解療法、IVCフィルター留置
対応症状(こんな症状はありませんか? )
・歩行や階段昇降時に胸が締め付けられるように痛む、圧迫感を感じる・階段や坂道で息切れ、呼吸困難を感じる
・突然脈が速く打つ、脈が不規則になり動悸を感じる
・めまいやふらつきがある、目の前が暗くなる、失神発作が起こる
・横になると息が苦しくなる
・体重が増加し、足がむくむ
・歩行時に足が痛くて歩けなくなり、休むとまた歩けるようになる
2. 斗南病院循環器内科について
心臓は生まれてから死ぬまで1日24時間365日休まず全身に血液を送リ出すポンプで、1日に約10万回拍動するといわれています。循環器内科は主に、この心臓と心臓から送り出された血液が通る血管を扱う科です。対象疾患は、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、末梢動脈疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、不整脈、心不全(急性期、慢性期)、心臓弁膜症、心筋症、感染性心内膜炎、心筋炎、大動脈瘤、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症など多岐に渡ります。当科ではあらゆる循環器疾患に対し質の高い医療の提供を目指していますが、これらの疾患の中でも特に
(1)動脈硬化を基盤にして起こる虚血性心疾患、末梢動脈疾患の治療(2)多職種チームによる心不全治療
(3)治療抵抗性高血圧の治療
に力を入れています。
(1) 動脈硬化を基盤にして起こる虚血性心疾患、末梢動脈疾患の治療
動脈硬化を基盤にして起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、末梢動脈疾患は相互に合併していることが多く、全身の血管病として捉え診断、治療を行っています。冠動脈に限らず下肢動脈、鎖骨下動脈、腎動脈など、ほぼ全身の血管が治療の対象となります。これらの予防には、動脈硬化を引き起こす危険因子(脂質異常症、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足など)を適切に治療、管理することが最も重要です。虚血性心疾患は、心筋へ血液を供給している冠動脈という血管の異常から起こります。冠動脈が狭くなって血流が減少することで胸痛などの症状が現れるのが狭心症です。一方、急性心筋梗塞は冠動脈の一部が完全に閉塞し、心筋が部分的に壊死を起こす重篤な病態です。虚血性心疾患が疑われる場合には冠動脈CT検査や冠動脈造影検査などを行い診断します。治療は多くの場合カテーテルを用いて行う血管内治療(カテーテル治療)で行っており、なるべく短期間の入院で、苦痛も出来るだけ少なくなるように努めています。ロータブレーター、ダイアモンドバック、ショックウエーブという医療機器の認定施設となっており、冠動脈の高度石灰化病変の治療も可能です。平日日勤帯と、札幌市循環器呼吸器二次当番、札幌市ACS当番の際に循環器救急患者の受け入れを行い、心筋梗塞に対して循環器専門医がすみやかに対応できる体制を整えています。糖尿病に合併することが多い重症下肢虚血肢の治療も、糖尿病内分泌内科、形成外科、整形外科と協力し集学的に行っています。日本心血管インターベンション治療学会の研修関連施設に認定されており、安全で確実な治療を行うために日々研鑽を積んでいます。
治療前 |
治療後 |
冠動脈造影CTによる左冠動脈前下行枝狭窄の例 |
下肢動脈造影CTによる右外腸骨動脈狭窄の例(白矢印) |

血管造影装置(Philips社 Azurion 7 B20-12)
(2)多職種チームによる心不全治療
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して全身に十分な血液を送れなくなり、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。原因としては、心筋梗塞、不整脈、心筋症、高血圧、弁膜症などがあります。心不全には、急に悪くなる「急性心不全」と、心不全の状態が慢性的に続く「慢性心不全」がありますが、最近の診療では、急性期と慢性期を分けず、切れ目なく治療を続けることが大切だとされています。心不全は、ガイドラインに基づく標準的治療により生命予後を改善させることが証明されており、なるべく早期かつ積極的な導入を心がけています。心不全による再入院予防を推進するために、入院後早期より医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など多職種が連携し治療に介入するとともに、退院後も必要な治療を連携して継続することにより、心不全再入院予防と退院後の生活の質(QOL)の向上をサポートします。
(3)治療抵抗性高血圧の治療
降圧薬の進歩により高血圧の管理は以前より容易になってきましたが、3剤以上の降圧薬内服下でも目標とする血圧に到達しない治療抵抗性高血圧の症例が日常診療で散見されます。このような症例には二次性の高血圧が多く存在するといわれております。当科では二次性高血圧の中でも頻度の多い原発性アルドステロン症の診断、治療に力を入れております。原発性アルドステロン症に関して積極的なスクリーニング検査と必要に応じて副腎静脈サンプリングを行っています。手術は泌尿器科に依頼し侵襲の少ない腹腔鏡下副腎腫瘍摘出術を行っております。2026年には腎デナベーション(腎交感神経除神経術)の認定施設となり、治療抵抗性高血圧に対し、カテーテルを用いて腎臓の神経の働きを抑えて血圧を降下させる治療が施行可能となっています。
3. 外来受診のご案内
当院は、地域医療支援病院として、他の医療機関からの紹介患者を積極的に受け入れ医療連携を推進しております。他の医療機関を受診中の方は紹介状(診療情報提供書)をお持ちください。
・受付時間:月曜日〜金曜日 8:00~11:00、12:30~15:30 (土・日・祝日・年末年始は休診)
・初診の方:かかりつけ医からの紹介状と事前の診療予約が必要です
・再診の方:予約制となっております
※通院中の緊急を要する症状(激しい胸痛、突然の強い息切れなど)の場合は24時間対応いたします
※予約なしでの当日受診については、待ち時間が長くなることをご了承ください
4. 医療関係者(紹介元)の先生方へ
日常診療において、狭心症、心不全、不整脈、末梢動脈疾患などが疑われる症例がございましたら、お気軽に当科へご相談ください。
・通常の患者ご紹介(外来予約):患者総合支援センター(TEL: 011-231-2182またはFAX:011-231-2185)を通じてご予約をお取りいただけます
・緊急のご紹介・搬送のご依頼(平日9:00-17:00 (年末年始・土日祝を除く)):心筋梗塞、急性心不全など緊急を要する場合は、Dr to Dr専用ダイヤル(TEL: 0120-107-255)におかけください
・逆紹介について:病状が安定した患者さんにつきましては、積極的にご紹介元の先生へ逆紹介(かかりつけ医連携)を行っております
過去5年間の主な診療実績
| 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 冠動脈造影(検査のみ)(件数) | 130 | 123 | 81 | 113 | 120 |
| 経皮的冠動脈形成術(件数) | 99 | 102 | 96 | 108 | 98 |
| 急性心筋梗塞(件数) | 19 | 16 | 18 | 19 | 12 |
| 経皮的末梢血管形成術(件数) | 33 | 29 | 20 | 27 | 43 |
| 恒久的ペースメーカー植え込み術(件数) | 20 | 23 | 15 | 8 | 12 |
担当医師
循環器内科に所属している医師を紹介しています。