X線TV検査

X線TV検査とは

X線TV検査とは、X線を用いて体の中をリアルタイムに観察し、手技を行う検査です。

用途は幅広く様々な検査や治療で使用しています。当院では2台のX線TV装置が設置されています。

X線撮影検査で使用されるX線を連続的に照射すると、動画のように連続した画像(透視画像)が得られます。

これを利用して検査や治療を行います。透視画像で照射するX線の量はX線撮影検査で使うX線の量よりはるかに少ないため、適切に使用することで安全に検査や治療を行うことができます。

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X線TV装置(ZEXIRA)

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X線TV装置(ZEXIRA)

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X線TV装置(CUREVISTA OPEN)

装置の特徴と主な検査内容

X線TV装置はベッドの角度を大きく変えられるのが特徴で、これにより立位や臥位など様々な状態の透視画像を得ることができます。これを利用した検査が健康診断で用いられる胃・食道バリウム検査で、胃や食道の形状からがんなどの病変を発見します。

それ以外にも、造影剤を使用した消化管造影や尿路造影のほか、骨折や脱臼をした際にも使用します。

一例ですが、当院では主に以下の検査を行っています。

経気管支肺生検(TBLB : TransBronchial Lung Biopsy)

病変を目指して気管支内視鏡を気管支内のできるだけ奥まで挿入します。気管支内視鏡が入れないくらい気管支が細くなったところで、気管支鏡から鉗子を伸ばして病変まで進めていき、組織を採取します。

鉗子の位置は気管支内視鏡では確認することができませんので、X線を利用して位置を確認します。

また、事前に肺のCT検査を行って気管支の画像を作成し、気管支内視鏡を気管支内を進めていく際の支援を行います。

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透視下肺生検
黄矢印:鉗子
青矢印:気管支内視鏡

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CTで作成した仮想気管支内視鏡

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術中の気管支内視鏡

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP:Endoscopic Retrograde CholangioPancreatography)

内視鏡を口から入れて、十二指腸にある十二指腸乳頭(胆道の出口)まで内視鏡を進めます。

十二指腸乳頭から膵管や胆管に向けてカテーテル等を挿入し、胆道の詰まり・狭窄を治療します。

胆石がある場合には、バルーンやバスケットを用いて石を取り除き、場合によっては再び胆道が詰まらないように、胆道の出口付近にステントを挿入します。

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胆石除去中の透視画像(黒矢印:胆石 黄矢印:バルーン 橙矢印:バスケット)

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胆石除去中の内視鏡画像(黒矢印:胆石 黄矢印:バルーン 橙矢印:バスケット)

胃バリウム検査

最初に発砲剤を飲んで胃を空気で膨らませた後、バリウムを飲んで食道と胃の写真を撮ります。

胃を撮る際は、うつ伏せや立位になったり、あるいは体を左右に向けて斜めになるよう技師が指示を出します。

検査は約10分で終了します。

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胃・食道のバリウム検査

ポート造設

ポートはカテーテルを血管内(中心静脈)に留置し、ポートを皮下に埋め込むことで、確実に静脈に薬液を投与するための医療器具です。中心静脈内にカテーテルを留置しながらも、普段通りの日常生活を送ることができるます。高カロリー輸液を投与するために使われるだけでなく、抗がん剤の投与のために使用します。

ポートの留置部の候補には鎖骨下静脈、内頸静脈、大腿静脈、肘静脈(前腕部または上腕部)などがありますが、服に隠れることや大きな関節を通らないことなどから、鎖骨下静脈を選択するのが一般的です。

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整復

四肢の骨の骨折や脱臼時に行われる手技で、本来あるべき位置からずれてしまった骨を、できる限り元の位置に戻します。肩や肘、股関節の脱臼や、手指・手関節・足指・足関節などの骨折した骨を、X線透視下でリアルタイムに位置を確認しながら元の位置に戻します。

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手関節の整復前後

子宮卵管造影(HSG: Hystero Salpingo Graphy)

子宮の入り口から造影剤を子宮内から卵管へ流し込み、子宮内の状態と両側の卵管の通りおよび、卵管からおなかの中への拡がりを見る検査です。

卵管は非常に細く超音波ではほとんどみることができませんが、造影剤を使用することで卵管を白く映しだすことができます。

おなかの中への拡がりを良く診るために、翌日、一般撮影検査をします。この時再び造影剤を使用することはありません。

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造影直後の画像

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造影24時間後の画像