凍結療法(放射線診断科)
切らない、照射しない。がん細胞を凍らせる
凍結療法(凍結治療、冷凍手術、クライオアブレーション)とは病変を急速に冷却し、壊死させる治療法です。
特徴
- 治療中に凍結している範囲がCTやMRIで明瞭に描出されます。
- 治療中はほとんど無痛です。
- 入院期間、日常生活への復帰までの期間が短い治療です。
方法
局所麻酔で、直径約1.5mm凍結用の針を超音波、CT、MRIなどで確認しながら病変に刺入します。
刺入する針の本数は1から5本で病変の大きさや形によります。凍結用の高圧ガスを針の中に流して病変を凍結します。凍結時間はおよそ30分です。凍結中はCTやMRIで凍結範囲を確認します。
凍結が終了したら針を抜いて絆創膏を貼り、病室へ帰って2時間安静にします。副作用がなければ翌日退院となります。
適応疾患
当院では腎臓癌、肝臓癌、難治性悪性腫瘍、子宮筋腫、難治性癌性疼痛(骨転移、骨盤内再発など)、乳癌の治療が可能です。腎癌は大きさが4cmまでが健康保険で治療できます。これより大きなものは自由診療(全額自費)となります。肝臓癌は3cmまで3個まで、子宮筋腫は10cmまでが治療の対象です。いずれも自由診療です。
難治性癌性疼痛は癌そのものや再発、骨転移による痛みが今までの治療で改善しないものが対象になります。
大きさや数に制限はありませんが、周囲に重要な臓器があるなど、治療が難しい場合があります。
この場合も自由診療となります。乳癌は、st ageI、1.5cm以下の腫瘍が対象になります。
受診方法
いずれの病変も主治医からの紹介と診療情報の提供が必要です。治療の可能性はこの診療情報を下にして判断します。治療の可能性がある場合は外来を受診して頂きます。